老人ホーム入居の基準とは?要介護度について解説
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老人ホーム入居の基準とは?要介護度について解説

老人ホームの入居を考える際、要介護度は非常に重要な判断基準となります。要介護度とは、個人の介護サービスに対する必要度を判定するための指標です。これは医師の診断ではなく、市町村が行う要介護認定によって決定されます。

要介護度の決定は、病気の種類によるものではありません。実際にどれだけ介護が必要かを基準にしています。したがって、同じ病気や障害を持っていても、個々の状態によって要介護度が異なる場合があります。

要介護認定は、直接生活介助、間接生活介助、BPSD関連行為、機能訓練関連行為、医療関連行為の5分野における評価に基づいて行われます。ここで得られた基準時間はコンピューターによって算出され、実際の介護時間とは異なる可能性があります。

要介護度は「要支援1」「要支援2」と「要介護1〜5」の7段階で分類されます。これらの具体的な状態を見てみましょう。

要支援1は、基本的な日常生活動作が自立できるものの、部分的に見守りや手助けが必要な状態です。要支援2は、それよりも筋力の衰えや歩行の不安定さが見られます。どちらも予防給付の対象となり、早期の介護サービス利用が要介護状態への進行を防ぐ可能性があります。

要介護1は、食事や入浴、排泄は自立しているものの、日常の一部で介助が必要な状態です。要介護2は、要介護1の状態からさらに介助が必要な状況にあります。要介護3では、日常生活動作に全面的な介助が必要になり、立つことや歩行が難しくなります。

要介護4は、日常生活において全面的な介護が必要な状態です。要介護5は、日常生活のあらゆる場面で介護が必要となる状態で、寝たきりや意思疎通が困難な状態です。

要介護認定を受けるには、市町村役所に申請書を提出する必要があります。この申請には、介護保険の被保険者証や主治医の意見書が必要です。申請は通常、本人や家族によって行われますが、困難な場合は専門機関に代行を依頼することもできます。

要介護認定の申請から認定までの流れには、書類提出、訪問調査、1次判定、2次判定、認定結果の通知などが含まれます。このプロセスは全国的に統一されており、申請から30日以内に結果が通知されます。

老人ホームの入居条件に要介護度が影響を及ぼすことがあります。特に認知症高齢者グループホーム、介護老人保健施設、特別養護老人ホームでは、特定の要介護度を満たす必要があります。一方で、有料老人ホームは各施設ごとに異なる入居条件を設けています。

老人ホーム入居の検討にあたっては、要介護度の理解が不可欠です。これにより、適切な施設を選択し、必要なサービスを受けることが可能になります。老後の生活を快適に過ごすためにも、要介護度の意味を把握し、適切な介護サービスを利用することが重要です。